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[パリ 21日 ロイター] 国際航空運送協会(IATA)は21日、政情不安により減少した中東地域の航空旅客数が回復してきた一方、東日本大震災で打撃を受けた日本では回復が秋以降になるとの見方を示した。 また、アラブ諸国の混乱の影響から燃料コストは今年に入って業界全体で300億ドル上昇し、痛手となっていると指摘した。 ビジニャーニ事務局長は、ロイターとのインタビューで「現在懸念となっているのは、燃料価格と日本が(航空業界の)売上高に与える影響だ」と述べた。東日本大震災は3月11日に発生したことから3月の統計は大きな指標とはならず、4月のデータを見極める必要があるとした上で、「大きな影響があるだろう」と語った。 世界の航空市場における日本のシェアは、旅客数では6.5%だが、売上高では10%を占める。航空各社は東日本大震災後、一般旅客の数が減少し、救助・支援目的の旅客や貨物輸送が増えたと報告している。 需要が通常水準に戻るまでの時間について、同事務局長は「夏が終わるまでは待つ必要があるだろう」と話した。 アナリストによると、日本市場は国内資本の日本航空(JAL)(JALFQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)と全日本空輸(ANA)(9202.T: 株価, ニュース, レポート)がシェアをほぼ独占しており、外資系では米デルタ航空(DAL.N: 株価, 企業情報, レポート)が最大シェアを持つ。 ビジニャーニ氏は「エジプトがハイシーズンを迎えて需要を回復するなど、中東地域は回復に弾みがつきつつある。紅海方面への予約は今後も増えそうだ」とし、「問題は燃料とそのコストであって旅客数でない。旅客の方は回復してきている」と強調した。 原油価格は今年に入って30%上昇しており、北海ブレント先物は21日に1バレル=124ドル台をつけた。
[東京 22日 ロイター] 東日本大震災を受けた夏場の電力供給不足について、日銀内で楽観的な見方が広がりつつある。電力供給問題は、6─7月頃と期待されているサプライチェーン(供給体制)の回復に水を差しかねない懸念材料となっているが、電力供給不足が緩和されれば、緩やかな景気回復路線への復帰見通しがこれまでよりも早まる可能性がある。 ただ、電力供給をめぐっては、冬場にも需要が高まることに加え、福島第1原子力発電所事故を受けた今後のエネルギー政策の議論も不透明で、中長期的なリスク要因としてくすぶり続けそうだ。 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート) 管内では、震災後に福島第1、第2原子力発電所が停止したほか稼働中の火力発電所にも被害が発生した。このため震災前は5200万キロワットあった供給力が震災直後3100万キロワットに低下。東電は7月末まで供給力を5200万キロワット程度に引き上げる計画だが、5500万─6000万キロワットとされる夏場のピーク需要には足りない。ところが今週に入り、揚水発電やガスタービンの増強などで供給能力を5500万キロワット程度に上積みができるとの報道が相次いでおり、東電関係者によると同社内でも実際に調整が進んでいるもようだ。枝野幸男官房長官は22日午前の会見で、東電から供給量の積み増しについて報告が上がっていることを明らかにしたうえで「どの程度、需要の抑制が必要か精査している。精査をしっかりした上で、政府としての考え方を電力需給緊急対策本部で示したい」とし、週明けにも電力需要対策を示す方針を表明した。 日銀では、電力需給に関する個別企業へのヒアリングや独自の調査などを通じ、夏場の電力需給に対して従来よりも楽観的な見方を強めているようだ。懸念される夏場の電力不足が緩和されれば、常時電力を使用する半導体や化学・食品業界などの操業安定に寄与するのみならず、停電・節電による打撃が大きい飲食などサービス産業にとっても朗報。年内に産業界への打撃が免れない規模の電力不足が発生する可能性が低くなれば、日銀が28日に公表する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)において、2011年度の実質成長率(GDP)見通しは、民間予想の0.4%程度よりも高めになる公算が大きい。 ただ、揚水発電などは本来予備的電源であり、安定した供給能力確保には、柏崎刈羽原発で休止中の3基の運転再開などが必要とみられる。中長期的な電力供給問題の解消には、福島原発事故を受けた世論動向など難しい問題が依然として残っている。